田中和子の会ニュース21号から



学習会に参加して (1月26日)
どうなる社会保障―医療、年金、介護
―格差と貧困を拡大する新自由主義・構造改革路線のもとで―

講師:山田 稔さん(中央社会保障推進協議会事務局長)

50代も半ばを過ぎ、友人が集まれば、子どもの就職、親の介護、そして自分の将来に対する不安が語られる毎日である。
これから社会はどう変わっていくのか。私たちに何ができるか。
学習会(どうなる社会保障―医療、年金、介護)ではこんなお話をうかがうことができた。

■社会保障ってなに?
・社会保障とは、憲法で書かれている基本的人権、生存権、 
個人の尊重などを保障するための制度である。
・給付は、健康で文化的な最低限度の生活を営む水準でなければならない。
・財源は、所得の再配分として調達されなければならない。
ところが、市場原理主義を中心とし弱肉強食経済、自分たちさえよければ、弱者・敗者を切り捨てる「新自由主義」が台頭し、新自由主義を進めるための構造改革(雇用の流動化や非正規雇用の拡大などを生み出した雇用構造改革、応能負担から応益負担への転換を図る社会保障構造改革、財力のあるないにより受ける教育の質の格差を拡大する教育改革)が図られた。しかし、結果は社会保障の改悪を生み出し、「若者から希望を、お年寄りから安心を奪った」のが構造改革といえる。

■社会保障の改悪              
・医 療:医療費削減のため、医師不足と病床不足がすすみ、2008年4月からは特定健診、保健指導の義務づけが行われ、後期高齢者の医療制度が大きく変わる。これにより被用者保険の扶養者だった75歳以上からも保険料は徴収され、月額15,000円以上の年金受給者すべては、年金から天引きされる。
・年 金:保険料は引き上げられ滞納者、未加入者が増大し、年金水準は引き下げられた。しかし、受給資格を得るためには、25年間保険料を払い続けなければならない世界でも少数派の仕組み、巨額な積立て金、パートの年金権、無年金、低年金など、根本問題は放置されたままである。
・介護保険:介護の負担を家庭から社会へと鳴物入りで始まった制度も費用抑制のため、改悪(施設の部屋代や食事代の自己負担化、介護報酬単価の引き下げ、ヘルパーの賃金下げ、新予防給付の創設など)
・障害者自立支援法:応益負担のため重度者の負担は増加し、自立支援にならない。
・生活保護制度:生活保護費を使わせない仕組み、支給額そのものの引き下げ。

■社会保障予算の削減
 この国の財政は破綻寸前の状況といわれている。800兆円の借金といっても、国としての貯金を一番持っているのは日本であるという(国民には知らせない500兆円の金融資産、350兆円の固定資産、130兆円の土地)。せめて諸外国なみに、社会保障にもっと予算を使わせるべきではないか。2008年度予算案は社会保障費の2200億円の削減を掲げた。しかし、舛添厚生労働大臣は「社会保障費削減は限界」と述べ、自民党の中には社会保障削減は政権の命取りという危機感もあるが、「社会保障費が削減できないなら、社会保障を人質に消費税増税へ」とひた走る。
なぜ、財源を、大企業の法人税、高額所得者から応分の所得税に求めないか。
政府は都合の悪い情報は流さないといわれる。私たち国民は、真の情報を得る努力をするとともに、住民を守る立場に自治体を立たせるため、国民を守る地方議員や国会議員を増やすためにも、大切な一票を行使しなければいけない。
(K.M.)




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